[Book]しあわせの理由/グレッグ・イーガン

小説もたまに読みたくなる訳で、じつはマルドゥック・スクランブルとか、SFファンタジーものも結構好きだったりする。
「しあわせの理由」はタイトルからすると全然SFっぽくないのだが、ところがどっこい、かんなりハードなSFだと思う。
短編式で9編あり、タイトルの「しあわせの理由」は9編目である。
さて、気に入ったところの感想は以下(ネタバレ注意)

適切な愛
いきなりハードである。事故で体を失った夫の脳を妻のお腹の中で生きながらえさせるというお話。
SF要素+社会的、心理的な要素が強い。なんというか、どことなく切ない話だなと思った。
新婚さんは読むべからず(笑)

闇の中へ
本書の中で一番好きです。
謎の理由で、町中に突如ブラックホール(みたいなもの)が発生し、その中に取り込まれた者を助けるスペシャリスト達のお話。
世界観がきちんと表現されていて、読んでいて躍動的な情景が浮かんでくる。
読みやすいし、わくわくする一編だと思う。

愛撫
ホラーっす。いや、まじでホラーっす。その辺のゾンビ映画よりよっぽど怖い。

道徳的ウイルス学者
なんていうか、ものすごく難しいふりをした、コントです。
割とすきなタイプの物語ですが、意外なオチにたどり着くまでが結構疲れる。

血を分けた姉妹
まあ、ありがちな話というか、本書のなかでは案外パンチが弱い物語。
ただ、それは本書の中での比較的な表現であって、ケイタイ小説に投稿したら結構な反響をよぶんじゃないかなと思う。

しあわせの理由
深いっす。
特殊な病気というか、腫瘍によって、人生の絶頂(?)とどん底を行き来する人の物語。
最後はハッピーエンドっぽいけど、実はどうなんだろうというところ。
自分のアイデンティティを脳細胞レベルでコントロールする術を最終的に身につけるのだが、はたしてこれは本当にアイデンティティなのか?
そもそも、私たち人間は生まれながらにしてアイデンティティがあるのか?
そんな哲学的な面が強いです。

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